Track 01
长谷部:俺は、心の中でものを考えて、完结してしまうところがある。
子供の顷にもよく大人に言われた。「修一くん、なにを考えてるの?」と。
嬉しい。楽しい。そして、悲しい。
感情は心の中に溢れるけれど、それを表に出すのが苦手だった。感情とは、人に伝えずとも自分の中にあるものだ。人に伝えて起こすものではない。すでにそこにあるものを、あえて形にして表现する------俺は、それが不得手だった。
余村「あのイルカのジャンプ、高いなぁ。あんなところまで、よく届くもんだね」
长谷部「……うわっ」
余村「修一、だ、大丈夫?」
长谷部「あ、ちょっとぼんやりして油断してて……余村さんこそ、大丈夫ですか?」
余村「うん、少し濡れたけど、夏だしすぐ乾くよ。使う?」
长谷部「ありがとうございます」
长谷部:まいったな。付き合って三ヶ月だけれど、未だに余村さんが隣にいるのが信じられない时がある。
职场で见るのとは违う、寛いだ表情。以前よりずっと、余村さんは自然な笑颜を见せるようになったと思う。
余村「イルカのショーなんて见るの、ホントは何年ぶりかな。结构濡れちゃったけど、楽しかったね」
长谷部「うん、俺も子供のとき以来です。よかった。こんなところに连れてきて、余村さん退屈すんじゃないかと思ってたんだけど」
余村「どうして?水族馆は好きだよ。绮丽だし、夏场は凉しげでいいし」
长谷部「それならよかった」
长谷部「お、果奈に土产を买ってもいいですか?」
余村「あ、じゃあ仆も果奈ちゃんに……二人で水族馆に行ったなんて、変かな?」
长谷部「そんなことないと思います。俺に久しぶりに友达ができたって喜んでるみたいだし。あいつ、自分も行きたかったって出だすかもしれませんけど」
余村「それだったら、果奈ちゃんは仆らなんかとより、彼とデートに行きたいって思うんじゃないか?」
长谷部「あー、それもそうか……」
余村「それで、何にする?」
长谷部「そうだな……」
余村「あ、これ、どうかな。イルカのアイピロー。可爱いけど、果奈ちゃんこういうの好きじゃないかな?」
长谷部「ああ、たぶん好きですよ。あいつはああ见えて结构少女趣味なんで、部屋にキャラクターのぬいぐるみとか并べてたりするんです」
余村「へぇ、そうなんだ?ちょっと意外だな。じゃあ、もっと可爱いやつでもいいのかな。そうだな……」
长谷部「なんか……余村さん、楽しそうですね」
余村「え?ああ、谁かに土产を买うとか久しぶりなんだ。仆は兄弟もいないし」
长谷部「そういえば一人っ子なんでしたね」
余村「あ、修一!こっちはどうかな?アシカ」
长谷部「はっ、そうですね」
长谷部:何だかホッとする。
この気持ちがどこから来るのか、俺は知っている。
少しい前まで、余村さんは人の心の声が闻こえていたらしい。
谁しも人に心を覗かれるのは気持ちのいいものではない。けれど、嫌だと思う以上に、俺が覚えたのは『恐れ』だ。
(余村:うん......お、これ何だろう。かわいいなこれ)
知られることへの恐怖、その恐怖すら伝わってしまうことへの怯え。
そんな自分の踌躇いが、あのとき彼を伤つけてしまったのを今でも悔いている。-
彼の目にしている世界が----耳に闻こえていた世界が、どんなに杀伐としたものだったか、今は判る気がする。
自分の身に置き换えて考えれば、とても正気でいられる状况でなかっただろうこと。
だからこそ、余村さんの笑颜を见ると、安心して嬉しくなる。
余村「修一、やっぱりこれにしようと思うんだけど。君は果奈ちゃんになに买うの?お菓子とかにする?」
长谷部「あの、果奈のこと……なんですけど」
余村「果奈ちゃん?」
长谷部「俺、いずれはちゃんと果奈に话したいって思ってますから」
余村「……え?」
长谷部「余村さんの迷惑じゃなければですけど。俺、果奈にもあなたと付き合ってること、知ってほしいと思ってるんです」
余村「あ、でも、それは......」
长谷部「やっぱり男同士なんで、偶然知られてしまうのはまずいと思ってます。でも、上手く伝えて......あいつにも理解してほしい。知って、认めてもらいたいんです。俺の、大事な人だって......」
长谷部:自信があるわけじゃない。俺たちの関系を果奈が受け入れてくれるかとうか、俺にも判らない。
余村さんを好きになったということは、俺は同性爱者なのだろう。けど、自分でもあまりピンとこないでいる。
男だから余村さんを好きになったわけじゃない。気ついたら彼が心を占めていて、恋をしている自分がいた。
好きになったら欲しくなった。
彼に好かれたい。その心が欲しい。体が欲しい。全部、自分のものにした----そんなことでどんどん头がいっぱいになっていた。
余村「修一......な、なんだかプロポーズみたいだな」
长谷部「あ、そんなつもりじゃ......」
余村「判ってるよ」
长谷部「......でも俺、そう思ってもらってもいいです。俺はずっとあなたと一绪にいたいから......この気持ちはずっと変わらないって、俺は言い切れるから......プロポーズと思ってもらっても、全然构わないです」
余村「修一......」
长谷部「俺もいつか、余村さんの家族に会ってみたい」
余村「あ、それは……难しいかな」