第一话 雪华之都(せっかのみやこ)
千鹤:今にして思えば、この夜の出会いこそが、私の运命を大きく変えた瞬间だった。
浪士B:待ちやがれ、小僧!
浪士A:くっそ!どこに行きやがった!
浪士B:逃げ足の速い小僧だ。
浪士A:そう远けきは行っちゃいまい!探せ!
浪士B:うわぁ。
浪士A:……っ!吉!
浪士B:何だてめらっ……ぎゃあああ!
千鹤:何?
白髪队士:くくく……
浪士A:なっ!?(何だ……!)
白髪队士:ははははは!血ぃーー!ははは……
浪士A:何だ、こいつ!ぎゃあああ!
白髪队士:ぐあああ!
千鹤:やあああ!
冲田:あーあ、残念だったなぁ。仆一人で始末しちゃうつもりだったのに。斎藤君、こんな时に限って、仕事速いよね。
斎藤:俺は勤めを果たすべく动いたまでだ。
冲田:ふふ。
千鹤:ッ!?
土方:いいか、逃げるなよ。背を向ければ斩る。
千鹤:(靡き漆黒の髪に私は息を呑んだ。ひらひらと降る雪が月明かりに照らされて、まるで狂い咲きの桜のような……)
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(オープンリング「十六夜涙」)
冲田:おやおや。土方さんが胁かすから、気を失っちゃったじゃないですか。
斎藤:副长、死体の処理は如何様に?
土方:羽织だけ脱がせておけ。后は监察に処理させる。
冲田:どうするんです?この子。
土方:屯所に连れて行く。
冲田:あれ?始末しなくていいんですか。先の见られちゃったんですよ。
土方:そいつの処分は帰ってから决めろ。
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千鹤:ん……っ!?(こ、ここは……)
井上:目が覚めたかい?すまないねぇ、こんな扱いで。今縄を解くから、少し待ってをくれよ。ああ、総司の奴、こんなきつく缚り上げられたら辛かっただろう?ちょっと起きてくれるかい?口の中のも出しちゃって。
千鹤:あ、あのう。ここはどこですか?贵方は一体……
井上:ああ、失礼。私は井上源三郎。ここは新选组の屯所だ。
千鹤:新选组!?
井上:そんなに惊かなくてもいい。ちょっと来てくれるかい?
千鹤:へ?
井上:さあ、入って。
冲田:おはよう。昨夜はよく眠れた?
千鹤:!?
冲田:みたいだね。颜に畳の迹がついてるよ。
千鹤:!?
斎藤:止せ、総司。本気にしている。畳の迹などついちゃいない。
冲田:酷いな、一君。ばらさなくてもいいのに。
土方:お前ら!无駄口ばっか叩いてんじゃねえよ。
冲田:は~い。
藤堂:で?そいつが目撃者?ちっちゃいし细っこいなあ。まだガキじゃんそいつ。
永仓:お前がガキとか言うなよ、平助。
原田:だな。世间様から见りゃお前も似たようなもんだろがよ。
藤堂:うるさいな!おじいさん二人は黙ってなよ。
永仓:なんだと?このお坊ちゃまが。
原田:お前におじいさん呼ばわりされる覚えはねえよ。新八はおもかく、この俺はな。
永仓:てめえ!裏切るのか、左之!
近藤:止さんか!三人とも!
山南:口さがない方ばかりで申しわけありません。怖がらないでくださいね。まあ、そこを闭めてお座りなさい。
千鹤:はい。
近藤:俺は新选组局长、近藤勇。こちらの山南君が総长。そしてこっちのトシ、いや、土方歳三は副长を勤めて……
土方:近藤さん!何で色々教えてやってんだよ、あんた!
近藤:ん?ま、まずいのか?
永仓:これから诠议する相手に自己绍介はないじゃねえの?
原田:ま、そういうくそ真面目なところが近藤さんらしいっちゃらしいんだがなぁ。
近藤:……コホン。さて、本题に入ろう。まずは改めて昨夜の话闻かせてくれるか、斎藤君?
斎藤:昨夜、失败した队士らが市中で不逞浪士と遭遇。斩り合いとなりましたが、我々が処理しました。その折、この者に目撃されました。
千鹤:私、何も见てません!
藤堂:本当に?
千鹤:见てません!
藤堂:ふん……ならいいんだけどさ。
永仓:あれ?総司の话じゃあ、お前が队士共を助けてくれたって话だったが……
千鹤:违います!私はその浪士达から逃げていて、そこに新选组の人达が来て、だから私が助けてもらったようなものです。
永仓:じゃあ、队士共がるろうにを斩り杀してる场面はしかっり见ちまったわけだな。
原田:お前、根が素直なんだろうな?それ自体は悪いことじゃないだろうが。
冲田:ほら、杀しちゃいましょうよ。口封じするならそれが一番じゃないんですか?
千鹤:そんな!
近藤:物騒なことを言うな!御上の民を无暗に杀してなんとする!
冲田:そんな颜しないでくださいよ。今のはただの冗谈ですから。
斎藤:冗谈に闻こえる冗谈を言え。
千鹤:お愿いです!私、绝対に谁にも何も言いませんから。
土方:もういい。连れて行け。
千鹤:お愿いします!助けてください!绝対に言いません、信じてください!お愿いです!私本当に……っあ……!
斎藤:己のために最悪を想定しておけ。さして良いようには転ばない。
永仓:何!?処分なし!?
原田:いいのかよ、土方さん。あいつ见たんだろ?失败した奴らをよ!
土方:俺达は昨夜、士道に背いた队士を粛清した。あいつはその现场に偶然居合わせた。
山南:それだけの话と、おっしゃりたいのですか。
土方:実际あのガキの认识なんざ、その程度のもんだろ?
近藤:まあ、トシがそう言うのであれば。
山南:元々そのつもりだったんでしょう?さもなければ、生かしてまま屯所まで连れて来たりはしませんし。
土方:ちっ!
山南:とはいえ、あの秘密は守らなくてはなりません。このまま无罪放免というわけには……
土方:わかっている。まだ确かめなきゃならねえこともあるしな。
千鹤:(このまま待ってたら、きっと杀されてしまう。小太刀も取り上げられてるし。あの人达は私の事情より、新选组の都合优先するに决まっているもの。逃げなきゃ!)きゃあ!
土方:この马鹿!逃げられるとても思ってたのか?
千鹤:は、放してください!
土方:逃げれば斩る。……昨夜俺は确かにそう言ったはずだが。
千鹤:逃げなくても斩るんでしょう?私、死ぬわけにはいかないんです!私にはまだやらなきゃならないことが……え?
土方:命を悬けるほどの理由があるなら、洗い浚い话してみろ。
千鹤:……うん。
千鹤:私、雪村千鹤と申します。半年ほど前のことです。
纲道:千鹤。
千鹤:はい。
纲道:実はな、暂くの间、京の都に行くことになった。
千鹤:まだお仕事?
纲道:ん……
千鹤:暂くってどれくらいなの?
纲道:それはわからん。一月になるか二月になるか。
千鹤:そう?……気を付けてね、父さま。京の都は治安が悪いっていうもの。
纲道:安心しなさい。お前が心配しないように、京にいる间は出来る限り便りを出すよ。
千鹤:うん。约束ね。
纲道:それから、何が困ったことがあったら松本先生を访ねなさい。きっと力になってくれるはずだ。
千鹤:父は约束通り、便りを送ってくれました。私が返事を书くよりも早く、父の文は毎日のように届きました。なのに、その父からの连络が途绝えてはや一月。頼みの松本先生も今はお留守で。居ても立っても居られなくなった私は京の都まで旅してきたのですが、父の行方は一向に分からず。途方に暮れていたところに、あの浪士达に络まれて……
近藤:そうか……。父上を捜して遥々江戸から……大変だったなぁ。
土方:年端もいかねえ小娘が男に身を窭していたのはそういう訳か。
近藤:うんうん。何?小娘?
永仓:お前、女か!?
藤堂:嘘だろ!
近藤:この近藤勇一生の不覚!まさか君が女子(おなご)だったとは!
冲田:どう见ても女の子じゃないですか。
永仓:そうは言っても……证拠はねえだろう?
千鹤:证拠と言われても。
原田:だったらいっそ脱がしてみるか?
千鹤:へえ!?
近藤:许さん!それは绝対に许さんぞ!
山南:落ち着いてください。
近藤:あぁ、いやあ、しかしこれはだな……
山南:贵方、雪村千鹤と言いましたね?もしかして贵方の父上は兰方医の雪村纲道氏では?
千鹤:父をご存知なんですか!
近藤:纲道さんの娘さんだと!?
土方:おいお前、どこまで知ってる。
千鹤:どこまでって。
土方:恍けるな。纲道さんのことだ。
千鹤:どういうことですか。まさか父に何があったんですか!?
斎藤:一月ほど前、纲道さんが诘めていた诊疗所で火事があり、それ以来、行方が分からなくなっている。
千鹤:へえ!?
山南:不审火でしたが、焼け迹から遗体は见つかっていません。ただ、何らかの事件に巻き込まれた可能性はあります。
土方:纲道さんの行方は俺达も追っているところだ。昨夜の件はきっぱり忘れると言うのなら、纲道さんが见つかるまでの间、お前は俺达が保护してやる。
千鹤:え?
近藤:心配するな。君の父上は我々が必ず见つか出してみせる!
千鹤:ありがとうございます!
冲田:杀されずに済んでよかったね。とりあえずはだけど。
千鹤:は、はい。
永仓:まあ、女の子となりゃ、手厚くもてなさんといかんよな!
藤堂:新八っつあん女の子に弱いもんな。でも手のひら返すのは早すぎ。
原田:いいじゃねえか。これでも屯所が华やかになると思えば、新八に限らずはしゃぎたくもなるだろう。
山南:しかし、队士として扱うのは问题ですし。彼女の処遇を少し考えないといけませんね。
土方:だったら谁かの小姓にすれゃいいだろう?近藤さんとか山南さんとか。
冲田:やだな土方さん。そういう时は言い出しっ屁が责任を取らなくちゃ。
近藤:ああ。トシの侧なら安心だ。
山南:そういうことで、土方君。彼女のことよろしくお愿いしますね。
原田:さすが副长!頼りになるねぇ。
永仓:やあ、よかったよかった!
土方:て、てめえら……!
冲田:あはは……仆、何がいいこと言っちゃいました?
千鹤:私、どうなっちゃうだろう?
藤堂:ははははは!
土方:どう思う?
冲田:どうって?あの子のこと?
土方:ああ。
冲田:可爱いんじゃない?仆は嫌いじゃないけどな。
土方:そういう话をしてんじゃねえよ。纲道さんを捜しに京の都にやってきて、その日の内にうちの队士に袭われた……。偶然にしちゃ、少し出来すぎじゃねえか。
斎藤:副长は彼女が新选组の秘密を探るために会えて袭われたと?
冲田:まさか。あの子にそんなお芝居が出来ると思えないけどな。
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