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138 準備(その1)

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翡翠が帰った後、一階に降りると優奈が俺を待っていた。
 お風呂の準備ができたから一緒に入ろうと誘われて了承する。
 先に帰った翡翠と何があったとか聞かれることはなくて、そんな優奈の態度がありがたい。
 髪は美容室で洗ってもらったので、ヘアゴムで纏めて濡れないようにタオルで包む。髪の長さが短くなったので楽だ。
「えっと……なにそれ?」
 優奈が浴室に見慣れない物をお風呂に持ちこんでいた。スティックのような形状をしたピンク色のそれは携帯用の制汗スプレーくらいの大きさで、本体にはスイッチがついているがついているようだった。
「優奈、これってもしかして……」
 お、大人のおもちゃ!?
 はじめてが痛くならないように、事前に小さいので慣らした方がいいとかそういうことなのだろうか。
 でも、それってどうなんだろう。
 はじめてがおもちゃだなんて――
 女同士ならむしろ普通なのか?
 というか、翡翠と恋人になった以上、優奈とそういうことをしたら浮気になるんじゃないだろうか。
 姉妹のスキンシップだから、ぎりセーフ……?
「……何を勘違いしてるのか知らないけど、これはエチケットシェーバーだからね」
 うろたえている俺に対して優奈は冷ややかに言った。
「……え?」
「蒼兄に見られるんだから、ちゃんと無駄毛を処理しないとダメよ?」
「……なんだ、そういうことか」
 びっくりしたぁ……
 それにしても、気になることがひとつあった。
「優奈って処理してたの?」
 あれだけ一緒に居ながら、俺は今まで優奈がそれをしている場面を見たことがない。
「当たり前でしょ? さすがに恥ずかしいから、アリスの前ではしてないだけよ」
「そ、そうなんだ……」
 四六時中側にいて肌も重ねておきながら、そこは恥ずかしいんだ……俺自身、随分と考えが女性っぽくなってきたと思うけど、まだまだそのあたりの感覚はよくわからないな。
「アリスは肌も弱いし、まだそれほど必要なさそうだったから教えてなかったけど、これからはちゃんとしないとダメよ?」
「……しなきゃいけないのかな?」
 試しに自分の脇や脚を見てみるけれど、そこに毛が生えているようには思えなかった。そして、ぷっくらしたお腹の下もつんつるてんで、それが逆に恥ずかしいくらいなのに……
「男の人の前で肌を晒すんだから最低限の身だしなみよ。エチケットシェイバーを使えば肌を痛めることもないし、そんなに時間もかからないからさっさとしちゃいなさい」
「わ、わかったよ」
 俺は優奈からスティック状のそれを受け取った。
 蓋を外してスイッチを入れるとぶーんというモーター音がして本体が振動しはじめる。
 男だったころに使っていた電気カミソリを思い出すなぁ……そういえば、あれは今どうなってるんだろ?
 丸くなっている先端部分を腋にあてて動かすとしゅりしゅりと音がした。どうやら、全く毛がないという訳でもないらしい。毛が銀色なので目立たないのかもしれない。
 脛やふくらはぎ、そして一応お腹の下も。
 ……こ、これは結構恥ずかしいかも。
 優奈は湯船の中で視線を逸してくれているから、みっともない格好は見られてないとはいえ、シェーバーの音はまる聞こえだ。
 前言撤回、優奈の気持ちわかった。
 これを人前でするのはかなり恥ずかしい。
 お互い無言のまま、シェーバーの立てる音だけがお風呂の中で響いていた。それはほんの数分のことだったけど、俺にはとても長く感じて。
 ようやく一通り剃り終えて、優奈にお礼を言ってシェーバーを返した。
 それからいつも通り、いやいつもより少し丁寧に体を洗う。
 ……臭かったりしたらイヤだから。
 体を洗い終えると、優奈が見慣れないガラス瓶を見せつけてきた。それは琥珀色の瓶で、ピンク色のラベルがなんとも怪しげな雰囲気を醸し出している。
「それじゃあ、仕上げにボディオイルを塗ってあげるよ」
「え? いいよ、そんなの……」
「よくないよ。雰囲気作りはお互いの協力が大切なんだからね?」
「わ、わかったよ」
 優奈が瓶を手にとって手のひらに中身を垂す。
 それから、俺の背中に移動すると両肩に触れてきた。
「ひゃいっ!?」
 ひんやり冷たい感触に変な声が出てしまう。
 優奈の手にはねめっとした液体がたっぷりつけられていて、肩から首回りにかけて指で丁寧に塗り込められていく。
 冷たさこそすぐに収まったけれど、妙なくすぐったさを堪えるのに顔が引きつってしまう。
 不意に柑橘系の匂いがツンと漂ってきた。
「あれ、この匂いって……?」
 どこかで嗅いだことのある匂いのような気がする。
「これは、あたしがアリスとはじめてエッチしたときにつけてたやつなんだよ。憶えてる?」
「う、うん……」
 そう言われてみると確かにあの日の優奈からしていた匂いだった。不意にそのときの記憶が呼び起こされてしまって、お腹の下が疼く。
 てかてかしている優奈の手が両腕を撫でるように往復してオイルが塗り広げられていく。素肌の上を艶なまめかしく動く指からぬめぬめとした感覚が伝わってくる。
 気になって触ってみると、それは糸を引くくらいに粘度の高い液体だった。
「こんなのつけて服を着れるの?」
 それに匂いもちょっと強すぎるような……
「このボディオイルは、肌に塗りこんでからシャワーで流すものだからこれでいいんだよ」
「……流しちゃうの?」
「うん。そうするとね、ほのかに香るくらいのちょうどいい匂いが残るんだ」
 ……なるほど、そういうものなんだ。
「このオイルのすごいところはそれだけじゃないの」
 いたずらっぽく微笑んで、どこか得意げに優奈は言った。
「エッチのときに興奮するとね、体が熱くなって毛穴が開くから、お肌に染み込んだオイルが蒸発するの。そうしたら、周囲にフェロモンの混じった甘い匂いを発散して、気分を盛り上げてくれるんだよ?」
「そ、そうなんだ……」
 優奈に早口で捲し立てられて少し引き気味に答える。
 というかそんなオイルを何処で買ったんだろう……しかも、はじめてのときって優奈も俺と同じく未経験だったはずなのに。
 それにしても、優奈ははじめてのときそんなオイルをつけてたのか……どんな匂いだっただろうか?
 思い出される記憶は強い興奮と快楽が入り混じったおぼろげなもので、甘いミルクのような匂いがしていたような――
「ふひゃ!?」
 不意に両脇から手が差し込まれて、お腹にひんやりと冷たい手が触れた。たっぷりとオイルのついた優奈の指が、それぞれ別の生き物みたいに蠢いて、お腹に脇、太ももと体中を這い回っていく。
「ん……んんぅ……」
 我慢しなきゃと思うけれど、敏感な部分に触れられると、どうしてもお腹の下のもやもやが大きくなってくる。
 ぬるぬるがくすぐったくて……気持ちいい。
「……塗りこむときは毛穴が開いてた方がいいから」
 歯を食いしばって声が漏れないようにしていると、優奈がそう耳元で囁いてきた。
「……え?」
「だから、我慢しなくてもいいからね?」
 天使のような小悪魔の笑みを浮かべて優奈はそんなことを囁く。
「ちょ、優奈!? ……だ、だめだよ……」
「大丈夫、これはマッサージをしているだけだから、やましいことなんて全くないよ……マッサージで気持ちよくなるのは普通のことだし」
 こんなふうに気持ちよくなるのは普通のマッサージじゃないと思う!
「ちょ……ゆ、優奈っ……ふぁぁ!?」
 だけど、一応でも言い訳ができてしまうと弱くて。
 こうすることが日常になっていたことも、俺の中の抵抗感を下げていて。なんとなく翡翠なら赦してくれそうな気もして(多分お仕置きはされるだろうけど……)
 結果、俺は流されるままに、背中の優奈に体を預けたのだった。


IP属地:福建1楼2020-02-07 22:56回复