「……まだ、怒ってるの?」
優奈が困った表情で聞いてくる。
「怒ってないよ」
怒ってない。全然怒ってやしない。
「ごめんってば。でも、今日の本番はあたしじゃないし……」
「わかってるから」
……もう、触れないで欲しい。
さっきの浴室でのこと。
優奈の丁寧なオイルマッサージを受けた俺は我慢ができなくなっておねだりした。そうすれば、いつものように最後までしてくれる、はずだった。
「それはダメ」
だけど、返ってきたのはまさかの拒絶の言葉。
「だって、毛穴が開ききっちゃうと、塗り込んだオイルの効果が飛んでしまうからね」
と、無慈悲な宣告を優奈にされて。
それからも中途半端に与え続けられる刺激は、まるで責め苦のよう。
重なっていく切なさで頭の中が埋め尽くされてしまった俺は再度懇願したけれど、優奈はやっぱりしてくれなくて。
ついには、我慢できずに自分で触ろうとしていたのを優奈に咎められる始末だった。
頭を冷やしてからそれらの行為を思い返すと、恥ずかしいやら情けないやらの自己嫌悪で無口になってしまったのを優奈に勘違いさせてしまった。
俺は自分の部屋にある化粧台の前に座って、優奈にされるがまま着せ替え人形にされている。
「どう、このシュシュかわいいでしょ。ピンクでベビードールとお揃いなのよ――つけてあげるね」
後頭部でポニーテールで纏められた俺の銀色の髪は、ヘアゴムで括られて、ピンク色のシュシュで飾られた。
お風呂あがりの脱衣所でシンプルな下着と勝負下着でどっちにするか迷っていたら、優奈に有無も言わさない勢いで勝負下着を選ばされたのが始まりだった。
一緒に用意していたシンプルな肌着にもダメ出しをされて、優奈がどこからか持ってきたベビードールを着せられていた。
ふりふりのレースがふわふわした薄いピンク色のそれを着ると、お人形さんのようにかわいらしいのに、透けて見える白い下着はとてもセクシーで、鏡に映った自分の姿をしばらく直視できなかったくらいで。
優奈が困った表情で聞いてくる。
「怒ってないよ」
怒ってない。全然怒ってやしない。
「ごめんってば。でも、今日の本番はあたしじゃないし……」
「わかってるから」
……もう、触れないで欲しい。
さっきの浴室でのこと。
優奈の丁寧なオイルマッサージを受けた俺は我慢ができなくなっておねだりした。そうすれば、いつものように最後までしてくれる、はずだった。
「それはダメ」
だけど、返ってきたのはまさかの拒絶の言葉。
「だって、毛穴が開ききっちゃうと、塗り込んだオイルの効果が飛んでしまうからね」
と、無慈悲な宣告を優奈にされて。
それからも中途半端に与え続けられる刺激は、まるで責め苦のよう。
重なっていく切なさで頭の中が埋め尽くされてしまった俺は再度懇願したけれど、優奈はやっぱりしてくれなくて。
ついには、我慢できずに自分で触ろうとしていたのを優奈に咎められる始末だった。
頭を冷やしてからそれらの行為を思い返すと、恥ずかしいやら情けないやらの自己嫌悪で無口になってしまったのを優奈に勘違いさせてしまった。
俺は自分の部屋にある化粧台の前に座って、優奈にされるがまま着せ替え人形にされている。
「どう、このシュシュかわいいでしょ。ピンクでベビードールとお揃いなのよ――つけてあげるね」
後頭部でポニーテールで纏められた俺の銀色の髪は、ヘアゴムで括られて、ピンク色のシュシュで飾られた。
お風呂あがりの脱衣所でシンプルな下着と勝負下着でどっちにするか迷っていたら、優奈に有無も言わさない勢いで勝負下着を選ばされたのが始まりだった。
一緒に用意していたシンプルな肌着にもダメ出しをされて、優奈がどこからか持ってきたベビードールを着せられていた。
ふりふりのレースがふわふわした薄いピンク色のそれを着ると、お人形さんのようにかわいらしいのに、透けて見える白い下着はとてもセクシーで、鏡に映った自分の姿をしばらく直視できなかったくらいで。